約 3,371,766 件
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/1800.html
(これは涼宮ハルヒの憂鬱を 格闘ゲーム化したら どんなふうになるのかを 予想したもの・・。) キョン -KYON- 「投げつけ」 【↑+A】 「叩きつけ」 【↓+A】 「空中蹴り」 【↑+↑+B】 「カウンター」 【←+B】 注意「技はゲージがMAX時しか使用不可能」 ━技名「蹴り殴キョンキョン」━ 「蹴り」 【B】 「2回蹴り」 【B+A】 「+強パンチ」 【↓】 みくる -MIKURU- 「みくるビーム」 【→+A】 「チェーンソー」 【接近して ↓+B】 「熱湯茶こぼし」 【→+B】 「エアガン発砲」 【B (連続押しで連発)】 「包丁切りつけ」.【B+A 同時押し】 ───技─── ━鉄パイプ刺し━ (ゲージMAX時) 通常に腹に刺す 【A】 顔に刺す 【+B】 即死刺し 【↓+A の後 →+B】 出現方法 「ハルヒ でSTORY MODE をクリア」 小泉一樹 - Koizumi - 「アナル槍刺し」 【背後で相手の方向+B】(女には無効) 「シイタケ殴り」 .【A(連続押しで連殴攻撃)】 「テドドン発射」 【↑で大きくし ↓+Aで発砲】 「テドドン射液」 【B(8回まで可能・行動停止する)】 「空中シイタケ」 【空中で A+B+B+A】 ─技─ (ゲージMAX時) 「キョンたん奪うYO」 【キョンに接近しA】 チームバトルのとき、 これを使うとキョンが仲間になる(キョンが敵の場合) 「シイタケ究極フィア」 1回目【A+↑】 投げ飛ばし 2回目【B+B】 (空中で) 射液2回 3回目【A+→】 とどめ 出現条件 「VIPスレッドタウン でVIPPERを9人犯す」 「キョン でホモハウスへいく」 長門 -NAGATO- パソコン投げ 【→+A】 ムチ攻撃 【A】(小泉にやるとシイタケカウンター) 銃発砲 【B】(連発可能。最大30発) ショットガン 【↑+B】(近ければ大ダメージ) マシンガン 【→+B】 マウス投げ 【↑+A】(連投可能) ─特殊攻撃─ 連続攻撃処理 【↓+B】 (連続攻撃・必殺技を相手が使っている 最中に押す) ───技─── ゲージMAX時 「情報連結解除」 【↑+→+↓+←+B】 10秒後発動。成功すれば相手消滅。 涼宮ハルヒ - HARUHI- かなりの最強キャラ 強蹴り 【A】(大ダメージ) ぶん殴る 【B】(大ダメージ) チェーンソー 【→+A】 (みくるのチェーンソーよりもダメージ大) 首絞め 【↑+A】(Aを連打すれば一時行動停止) 椅子攻撃 【↓+A】(中ダメージ。連打不可能) 日本刀斬【→+B】(大ダメージ。連打可能) ──技── (ゲージMAX時) 大波動砲 (火炎) 【A】 火炎放射の強化版発砲 大波動砲 (爆発) 【B】 (火炎)を撃った後に可能。即死。 ここから先は敵キャラになりまする ダーク古泉 =DARK HOMO= 最初 【殴攻撃 → 空中投げ →アナル砲】 ダメージ中【殴攻撃連続】 ダメージ小【即死攻撃 or 空中シイタケを連発】 死ぬ寸前【自爆。このときHPが少ないと死亡】 ゲージMAX キョンの場合 【アナル槍刺し。キョン即死。回避不可能】 長門の場合【戦闘終了。(長門は死亡しないで、)】 みくる・ハルヒの場合【↑と同じ。】 ラスボスの手下 「 1」 最初【スレ建て(HP回復)を行い、攻撃】 ダメージ中【豚投げ】 ダメージ小【VIPビーム】 死ぬ寸前【防御をずっと行う。】 ラスボスの手下2 「鶴屋さん」 【ハンドガン発砲】 受けるダメージは大きい 【ロケットランチャー】 1発使い捨て。食らうと即死 【ガトリング】 ダメージが少なくなるとずっと連発する 【にょろ】 34回、連続で殴る。1回のダメージは最小 LAST BOSS(キョン編) 「ダークハルヒ」 装備:血濡れ刀 【首斬り】ジャンプし、落下すると同時に首を斬る。即死 【心臓刺し】物凄い速さ。即死。しかし使用回数1回。 【振り回し】 左右に適当に振り回すwww -武器が【チェーンソー】に切り替わった時- 【首斬り】 即死。 【上下振り】 かなりの大ダメージ。食らうとHP1 【肩斬り】 肩にチェーンソーを乗せる。即死 LAST BOSS(長門編) 「朝倉」 【長槍刺し】 即死。長いので危険。 【生命処理】 謎の光に包まれると一発で即死 【武器処理】 されると、武器攻撃不能。技で我慢する 【足処理】 動けなくなる。(一時だけ、) 【生首入手】 首を斬られる。無論、即死。 LAST BOSS(ハルヒ・みくる・小泉) 「谷口」 【蹴り】 0ダメージ 【首絞め】 0ダメージ 【殴る】 0ダメージ 隠しキャラ みくる(スーパーコスチューム) 【↑+A】 みくるビーム・上 【↓+A】 地震マグニチュード9.0起こし ダメージ大 【→+A】 一回転蹴り 【←+A】 バルカン発砲 【A+A】 みくる雷ビーム 【B】 蹴り。(連発で40蹴り) 出現条件 「古泉 がキョンを犯す」 「涼宮ハルヒ ~ファイターズ・メモリ~」 税込み9800円 未発売中!!
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/1021.html
第一章 新しいクラスが発表されるのは始業式の後なのでもちろんここで言う教室というのは1年のときの教室である。 ハルヒはもう教室で憂鬱げなというよりは疲れているような顔を浮かべていた。 どうかしたのか?と聞いてみると「何でも無いわよ。」と言い返されたところで元担任の岡部が入ってきて体育館に強制連行された。 入学式に劣らないテンプレートな始業式は幕を閉じた。 とうとう新クラスの発表である。 この時、俺はハルヒと一緒のクラスになるのは確定だと思っていたので谷口か国木田でも何でも良いからまともな知り合いと同じクラスになれと祈っていた。 そして新クラス発表終了後俺は唖然としていた、なんとハルヒと同じクラスにならなかったのだ、ありえない。 谷口や国木田と同じクラスになれたのはよかったのだが… 俺の頭の中では?がありえないぐらいに大量発生していた。 俺は新クラスでの自己紹介を去年した自己紹介を適当に変えて終了し、何故ハルヒと同じクラスにならなかったのかホームルーム中考えていた。 結果から言うとまったく理由はわからなかった。そしてホームルームが終了しあっという間に放課後になった。 そしていつものように部活をしに…正確に言うと団活をしに文芸部室に向かった。 最初は長門しかいなかったのだが、ハルヒ、古泉、朝比奈さんと続いて部室に来て、 俺と古泉は普段道理ボードゲームをし、朝比奈さんお茶を入れてくれ、長門は読書、そして団長様は不機嫌そうにネットサーフィン。 学校は午前中までだったので大体3時ごろに解散した、そして俺は不本意ながら下校途中の古泉に声をかけた。 聞くことは決まっている。何故ハルヒと同じクラスにならなかったのか、 すると古泉は「僕にもよくわかりません。前に涼宮さんの能力が弱まっているかもしれないと言ったでしょう?それが関係しているのかもしれない。 それに気になることがあるんですが…きっと関係ないでしょう。それにあなたもわかってるでしょうが今からアルバイトに出かけなければ、では」なんて気になることを言いやがるんだ。 そして古泉と別れた後、一年生の新入部員(正確には新入団員)のことを考えていた。 今日は始業式なので1年生は来ておらず明日から授業なので明日は何が何でもハルヒを止めなければならない。 何かいい言い訳が無いか考えていた。 もともと頭が言い訳でもないのにハルヒを言いくるめる言い訳を考えなければならないとなると至難の業である、結局寝る前まで考えたが結局何も浮かんでこなかった。 そして翌日の放課後である、ハルヒは案の定SOS団を宣伝しにいこうと言い出した。 俺は苦し紛れに「やはり最強の団というのは少数精鋭のほうが良いんじゃないか?」といってみた。 そしてハルヒはなんと「そうね、わかったわ。」そう答えたのである。 なんということだろう熱でもあるのか?といいたくなるような返答をよこした。 どうせ俺の言うことになんか聞く耳持たずで「あんたは紙を印刷してきなさい」なんていわれるもんだと思っていた。 そして俺の発言により部活は普段通りに行われた。 後で聞いた話だが古泉によるとこの一件で閉鎖空間は出来なかったという やはりハルヒがおかしい。 もちろん何故ハルヒがおかしいのか俺に知る術は無くまさかハルヒ本人に聞くほど俺も無粋ではない。 とりあえず様子を見てみることにした。 そしてこの状況が一ヶ月続きゴールデンウィークがあけた後、ハルヒがSOS団結団1周年を記念しパーティーしようと言い出した、これには反対する理由が無い 場所は事情を聞いた鶴屋さんが自宅に招いてくれるという、なんと言う太っ腹な人だろうか。 SOS団ができた日は平日なので部活が終わった後鶴屋邸で予定通りパーティーが催された。 なんつう豪勢な食事だろう、正直こんな団の一周年パーティーにはもったいないレベルである。 飯を食い終わった俺たちはボードゲームやら王様ゲームやらで盛り上がっり10時ごろ解散となった。 これでハルヒも少しは元気を出してくれればいいとそんなことを考えていた。 翌日ハルヒは金棒を拾った鬼のように元気になっていた、全くこいつは心配かけやがって…やれやれ。 数日後、俺は長門に呼び出された。 いきなり電話が鳴って突然来て欲しいと、 長門は言った「すでに情報統合思念体は自立進化の糸口を見つけた、本当は私はここにいなくてもいい、だが私の意志で今を生きている。 情報統合思念体も認めてくれた。 最近、涼宮ハルヒの能力が衰えている。あなたもそう感じてるはず、 もし涼宮ハルヒの能力が完全に消えた時、敵対する情報生命体のインターフェイスが私たちをやつ当たりと口封じで始末しにくるかもしれない。 そうなれば最後、恐らく人類は滅びる、でも1つだけ方法がある。 私のインターフェイスとしての力をすべて使い敵対する情報生命体のインターフェイスの全てを消滅させる、 もしかしたら敵対する情報生命体自体にダメージを与えることもできるかもしれない、だが実行すれば地球は半壊し人類は半分滅び、私は普通の人間となる、とても危険、これは最終手段。」 勿論長門のことだからこれが冗談なわけが無い、えらくまずい、まるで変な電波を受信しているSF作家の考えそうな話だ。 長門の家から帰る途中、見知った人に会った、部室専用のエンジェル、誰であろう朝比奈さんだ。 聞くところによると朝比奈さんは俺に話があったそうで長門の家から帰る途中を狙ったらしい。 古泉といい朝比奈さんといい俺の生活は筒抜けなのか?全く なんと朝比奈さんはこういった、「キョン君も気づいてると思うんですが涼宮さんの力が弱まっているんです、 その影響で今の時代より4年前まで戻ることが出来るかもしれないんです。ですがまだ不安定で…でも近い未来それが可能になるかも…」 俺は割って入って「よかったじゃないですか!!朝比奈さん。」と言った。 「でもそれが可能になっちゃうと私は…」と朝比奈さん。 そうだった全く忘れていた、朝比奈さんというかぐや姫はもはや月に帰る前のというところまで来てしまった。 「大丈夫ですよ朝比奈さん、きっと何とかなります。」なんて意味のわからないフォローを入れてしまった。 一体全体何とかなるってのはどういう意味で何とかなるのかおれ自身に聞きたいところだ。 朝比奈さんはいつぞや聞いたのとは少し違うトーンで「キョン君…今日は話を聞いてくれてありがとう」と言って走りながら去っていった。 この分じゃ古泉からも何か重大な話を聞かされるかもしれんと思っていたがそういう気配は全く無かった。 ハルヒも元に戻り普通(と言っても宇宙人や未来人や超能力者に囲まれたとんでもなく非日常なのだが…)に戻り7月に入った。 第二章
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/1880.html
どうしたんだろう。舌がなんだか縮こまっちゃって、うまく話せない。 「ね、ねえキョン。その、つまんない疑問なんだけど、さ」 「うん?」 こちらを見るキョンの様子がおかしい。明らかに心配そうだ。そんなに今のあたしはひどい表情をしているのか。 「こないだ、なんとなく深夜映画を見てたのよ。それがまた陳腐でチープなB級とC級の相の子っぽい、つまんない代物だったんだけど」 「ふむ、そりゃまた中途半端につまらなそーな映画だな。しかしハルヒ、あまり夜更かしが過ぎるとお肌に悪いぞ」 「うっさい、話を混ぜっ返すなっ! …でね、その映画ってのが、途中で主人公をかばってヒロインが死んじゃうのよ。でもって墓前に復讐を誓った主人公が敵の本陣に乗り込んで、クライマックスになるわけなんだけど」 べたりと汗のにじんだ手の平を握りこんで、あたしはキョンに訊ねかけた。 「もしも。もしもよキョン、あんたが言った通り映画の主人公がトラブルを乗り越えて行くべき存在なら…ヒロインが死んじゃったのって、それって主人公のせいなのかしら…?」 あたしがその質問をした途端、キョンは「あ」と小さく声を上げた。苦虫を噛み潰したような表情になって、それから、ゆっくり口を開いた。 「おい、ハルヒ。分かってるとは思うが、さっき俺が言ったのは『物語を客観的に見ればそういう考え方も出来る』って程度の話だぞ」 うん、そうよね。それは分かってる。 「脚本家やらプロデューサーやらの都合じゃヒロインが死ぬ必然性はあったかもしれないが、それは当然、主人公の意思とは無関係だ」 それも分かってる。けど。 「だいたい、自分が活躍するためにヒロインが死ぬ事を望むヒーローなんか居るかよ。もし居たとして、そいつはヒーローなんかじゃない。 だからその、何というか。要するに、俺はお前を責めるつもりであんな発言をしたわけじゃないってこった。単純にお前にトラブルを乗り越えてく覚悟があるかどうか確かめたかったっつーか、なんとなく意地悪な質問をしてみたかっただけというか。 大体ここまで人を巻き込んどいて、いまさら遠慮とかされても逆にだな」 「分かってるわよそんな事ッ! だけど…」 そう、分かってる。分かってるのよ。キョンの言い分は全て理にかなってる。こんなに声を荒げてるあたしの方が、きっとおかしいんだ。 でも。それでも! 「でもやっぱり、主人公が英雄的活躍を求めた結果として、ヒロインが死んじゃった事には変わりないじゃない!? あたしは、そんなのは嫌…。あたしのせいでキョンが居なくなるなんて、絶対に我慢ならない事なのよ!」 ああ、言ってしまった。直後に、あたしはそう思った。 それは言いたくなかったこと。認めたくなかったこと。でも言わずにはいられなかったこと。 「――北高に入って、あたしの日常はずいぶん変わったわ。毎日がとても楽しくなった。中学の頃なんかとは段違いに。 あたしはそれを、自分が頑張ったおかげだと思ってた。SOS団を作って、不思議を追い求めて。前に向かってひたすら走ってるから、だから毎日楽しいんだと思ってた。 昨日まで、ついさっきまで、そう思ってたのよ! でも、違った。本当はそうじゃなかった…」 「何が違うんだ? お前が日常を変えようと努力してたって事なら、俺が証人台に立ってやってもいいぞ? その努力の方向性が正しかったかどうかは別問題として」 この湿った雰囲気を変えようとでもしてるのだろうか、軽口っぽくそう言うキョンを、あたしは鋭く睨みつけた。 「だから、それよ! 気付いちゃったのよ、あたしは、その事に!」 「意味が分からん。いったい何に気付いたっていうんだ?」 「あんたが、あたしの背中を見ていてくれるから! だからあたしは走り続けていられるんだって事によ!」 気が付くと、あたしは深くうつむいていた。今の表情を、キョンの奴には見られたくなかったのかもしれない。 「中学の頃だって、あたしは走ってたのよ。日常を変え得る不思議を捜し求めてね。でもあたしはずっと一人で…息切れとか起こしたって、それに気付いてくれる奴は誰も居なかった…」 「…………」 「あの頃と今と、何が違うのか。 今のあたしが前だけ向いて、心地よく走り続けられるのは、それはあたしの後ろで、あたしの背中を見続けてくれる奴が居て…。もしもあたしが転んだとしても、すぐにそいつが駆け寄ってきてくれるっていう安心感の後ろ盾があるからだ――って…気付いちゃったのよ…」 喋っている間に、いつの間にか立ち上がったキョンが、すぐ前に立っていた。あたしはうつむいたままだからその表情は分からないけど、腕の動きから察するに多分、さっきぶつけた後頭部をさすっているんだろう。 「ありがたいお言葉なんだが、お前にそう殊勝な事を言われると、驚きを通り越して寒気がするんだよなあ。 ともかくハルヒよ、別にそれは俺だけの話じゃないだろ。朝比奈さんや長門や古泉、その他もろもろの人がお前を支えてくれてる。俺なんかパシリ役くらいしか務まってないぞ」 「そうよ! あんたはみくるちゃんみたいな萌えキャラでもないし、有希ほど頼りになんないし、古泉くんほどスマートでもないわ! せいぜい部室の隅に居ても構わないってくらいの存在よ!」 「やれやれ、俺はお部屋の消臭剤か」 なんで、あたしはこんなにイラついてるんだろう。どうしていちいちキョンの言葉に反応してしまうんだろう。 あたしの不愉快さは、それはもしかして…不安の裏返しなの? 「そう、あんたは特に取り柄があるわけでもない、ただ単に手近な所に居ただけの奴だったのに! そのはずなのに! でもあの春の日に、あたしの髪型の変化に気が付いたのはあんたで…その後もあたしの事を一番気に掛けてくれるのはあんたで…。 いつの間にかあたしは、あんたに見られる事を意識するようになってた…。あたしがこうしたらあんたはどんな反応するだろうって、それが一番の楽しみになってた。 あんたが変えちゃったのよ、あたしを! もうあの頃のあたしには戻れないのよ! それなのに、あんたがあんな事を言うから…」 ああ、失敗。失敗だ。 うつむいてしまったのは大失敗だった。確かに表情を見られはしないけど、にじみ出てくる涙をこらえられないんじゃ、意味がない。 「あんたが…人間なんて明日どうなってるか分からないとか言うから…。だからあたしは、こんなに不安になってるんじゃない!」 あんまり悔しくって、あたしは涙に濡れた顔を上げ、再びキョンの奴を睨み据えていた。 つい先程聞いた有希のセリフが、また胸の奥でこだまする。 『彼の言っていたのはある面での、真理』 『価値観は主に相対性によって生ずる。最初から何も無かった状態に比して、あるはずだったものをなくしてしまった時の喪失感は、絶大』 今なら、その意味が分かる。 あたしにとってあるはずのもの、そこに居てくれなければ困るもの。それは、キョンだったんだ――。 「もし…もしもあんたを失っちゃったら、きっとあたしは今のあたしのままじゃいられない…。何度も何度も後ろを振り返って、おちおち前にも進めなくなる…。 そんなの嫌! そんなのはあたしじゃない! だから、あたしは!」 こんな事を言ったら、キョンはきっとあたしの事を軽蔑するだろう。そう思いながらも、でも一度ほとばしった罪の告白は、途中で止められるものではなかった。 「あんたをここへ、ラブホへ誘ったのは、なんとか励まして元気付けたかったからっていうのは本当。 でもあたしにはあたしなりの思惑があって…。あんたが目の前に居て、あんたに触れる事が出来る内に、あんたとしておきたかった…。 あんたがあたしと一緒に居たって証拠を、心と身体に刻み込んでおきたかったのよ! 悪い!?」 はあ。 言っちゃったなあ…あたしのみっともない本音を。 キョンの奴も、さすがに愛想が尽きただろう。いつも偉そうぶってるあたしがこんな、ただの利己主義で動いてるような人間だと知ったら。 キョンの反応が恐くて、あたしはギュッと固く目を瞑って、肩を震わせる。そんなあたしの耳に、キョンの呆れたような声が届いた。 「やれやれ。男冥利に尽きるお言葉ではあるんだが、願わくばもう少し可愛げのある言い方をしてくれないもんかね」 「………は?」 「いや、訂正しとこう。可愛げのあるハルヒってのは、やっぱりどうも薄気味悪い。少し横暴なくらいがお似合いだな」 「な、なんですってぇ!?」 あたしの本気を茶化すような、あまりといえばあまりの雑言に、あたしは思わず目を剥いて、キョンの胸倉を掴み上げてしまう。 すると、キョンの奴は悪びれもせずにあたしの目を見つめ返し、子供をあやすようにポンポンとあたしの頭を叩きながら、こうささやいた。 「なあ、ハルヒ。ひとつ訊くぞ?」 「…何よ」 「お前は、俺に消えていなくなってほしいのか?」 「なっ、このバカ! 今までなに聞いてたのよ、その逆でしょ!? あたしは、あんたと…」 「だったら、つまんないこと心配すんな」 え、と顔を上げたあたしに、キョンは驚くほどキッパリと言い切ったの。 「お前が望んでる限り、俺は、ずっとお前の傍にいるはずだから」 ――まったく。 まったくもう、なんでこいつは。 普段は優柔不断の唐変木ののらくら野郎のくせに、こういう時だけは断言できたりするのだろうか。 不覚にも、ぐっと来てしまったじゃないか。 不覚、不覚! 涼宮ハルヒ一生の不覚! 気付けばあたしはキョンの胸にすがりついて、ボロボロに泣き崩れていた。さっき流した悔し涙や、不安と寂しさで流した涙とは全然違う、それは頬がヤケドしそうなくらい、熱い、熱い涙だった。 次のページへ
https://w.atwiki.jp/niko2/pages/358.html
涼宮ハルヒの懐柔 ◆IU4EWEf33I (非登録タグ) パロロワ ニコニコ動画バトルロワイアル 第百五十話⇔第百五十一話 第百五十一話⇔第百五十二話 「逃げろ……ですか」 地下に戻った後、僕はずっとさっきの八意さんのセリフを思い返していた。 前に言われた『逃げる準備をしろ』なら解る、その言葉には『ピンチになったら私も一緒に逃げるからその準備をして』と言うニュアンスがあるからだ。しかし、彼女は『逃げろ』と言った。 僕と彼女はさっき出会ったばかり――いや、彼女の方は前に僕に出会っているんでしたね。 でも、この殺し合いの場において、尚且つ僕ら二人は優勝を目的としているのにも関わらず――彼女は『逃げる準備をしろ』とは言わなかった。 『逃げろ』とは明らかに『僕独りで』という事。もう合流できないかもしれないのに、折角出来た仲間と。彼女は薄情な奴では無い、僕が彼女を信用している様に、彼女も僕を信用してくれているはず、何故? ――いえ、答えは解っています。彼女が話をした時の仕草から、解っていました。でもそれを素直に受け入れるのには、かなり迷いがあった。日本人の悪い癖だな。 恐らく彼女は“僕一人で優勝できるだけの能力がある”と思ってくれている。そして僕が優勝し彼女の“皆を元通りにする”という願いを叶えてくれると思っている。 僕も馬鹿じゃあない。彼女の語調から、あの壁の向こう側には恐ろしいほどの危険があるということが感じ取れた。彼女も命を落しかねない位の危険が。 ――今、僕の目の前にはいくつか道が並んでいる。 僕は今、それを選ばなければならない。 でも、その道の先を僕は見ることが出来ない。 道の先を見るのは、僕の超能力では無理だ。 ――どの道を選ぶ、古泉一樹? このまま逃げるか? それとも助けに行くか? はたまたここで待っているか? いや、そんな事最初っから決まっている、改まるまでも無い。 助けに行く。 そうでなければ何故彼女をあの化け物から守ったのか解らない。そうしなければ優勝もできない、当然“彼”も戻ってこない。 とりあえず今は出来ることをしよう。 僕は2人分のディバックと乾燥中のDCSを持ち、台所へ向かった。 「くそッ!どうして設計者は隙間でも空けておかなかったのよ!!何も解らないじゃない!!!」 小声で悪態をついてみる。とりあえず喉を攻撃されたダメージは引き、喋れるようにはなったが他のダメージも酷い。 「もう富竹は居なくなったような気もするけど……居るような気もするし………」 それにしても、どうしてこうなってしまったのか。こんな非日常は私が望むようなものではない。いつもの日常に戻りたい。 有希、みくるちゃん、古泉くん………キョン、助けて!! でも有希とキョンはもう居ない。もう、話をすることも声を聞くことも出来ない。二人の死、その事実が重くのしかかる。 ここに居るSOS団は古泉君しかいない。いや、もう誰でもいい、助けて…… こんな思考を何回繰り返しただろうか?でもこの思考は今最も会いたい人の一人によって中止させられた。 「涼宮さん、出てきてください」 暗いシンクの中に光が射す、それと共に懐かしい顔が飛び込んできた。SOS団の副団長の顔だ。 ここに涼宮ハルヒが居ることは僕も八意さんもわかっていた。元々八意さんが外に出た理由はこれだった。 涼宮ハルヒがここに入って来た時に発した音はちゃんと地下にも伝わっていた。 この女は僕の最も嫌いな奴だ。八つ裂きにしても余る、凌遅の刑にしても気は晴れない。 でも、この空間ではそんなものでも使わないと生き残ることは出来ない。 一時の感情で可能性を潰す、そんな愚の骨頂を僕は犯すつもりはない。 彼女にはして貰いたい事が二つある。 「…古泉くんッ!」 彼女が抱きついてきた。彼女が僕の事が好きならば良かったのに、そうすればこの女にも幾許か救いはあった。 殴り飛ばしたい気分を振り切り、まずは彼女を安心させようとした。 「涼宮さん……どうしたんです、その酷い格好は?」 僕は彼女からこのようになった一部始終を聞いた。 そして解ったことが一つ、“彼女は今、普通の精神状態ではない”。 話の中で彼女は、彼女がいつも使わないようなとても汚い単語を連呼していた。 日本語の限界、そう言葉を置き換えてもいいほどに。 こんな精神状態ならば、楽に落とせる。 「涼宮さん、キョン君は死んでしまいました。」 少し語調を強めてみる、初めの言葉はこれでいいだろう。 「そっ…そんなの解っているわよ………」 やはり彼女は動揺した。いい、計画通りだ。 「でももし、蘇らせる方法があったとしたら?」 「えっ?」 泣くのをやめ、こちらを見ている。普通の男なら落とせそうな、潤んだ眼。 まあ、僕には無効ですがねwwwwそういうのはアホの谷口にでもして下さい。 「それは……貴女が、元の世界に帰る事です」 彼女は何故自分が元の世界に戻ることが彼の蘇生に繋がるのか解らないだろう、だから続けてこう言う。 「信じてもらえないかも知れませんが―――貴女には、願望を実現する能力があるんです」 ――そこから僕は、今まで彼女以外のSOS団のメンバーが秘密にしてきた全てを打ち明けた。 彼女自身のこと、長門有希のこと、朝比奈みくるのこと、そして僕のこと。 もし彼女が普通の場所で、普通の精神状態であったら全く信じなかったであろう。 でも今の彼女は普通の状態ではないのだ。彼女は僕の話を半信半疑ながらも信用した。 これが彼女にして貰いたい事の一つだ。主催者は信じられない。あいつらは僕らの殺し合いを見て楽しもうとしているわけではないだろう。 必ず目的があるはずだ。そのためにこの殺し合いをするという状況が必要だったのではないか? だとしたら人を――それも参加者全員を蘇らせろといっても、叶えてくれるハズがない。そもそも願いを叶えるといった事さえ嘘かもしれない。 ならばこの女を優勝させ、彼女に参加者を蘇らせる事をさせる方が確実だ。 「でもさっき話した富竹って奴のことをず~っと私はブチ殺してやりたいと思っているけど さっき古泉くんの話した能力が私にあったのなら、もう脳漿ぶちまけて死んでいるハズよ」 やれやれ、僕は右手を首に持っていった。 「これが原因です」 「これって……首輪?」 僕は八意さんと話した事を思い出す。雑談中、彼女は自分の能力が抑えられていると言っていた。 そしてその原因はこの首輪じゃないか?とも、彼女は言っていた。 恐らく能力だけ見たら涼宮ハルヒは主催者達よりも強力だろう、能力だけを見れば。そんな彼女の能力を、主催者達は抑えないはずは無い。 その旨を僕は彼女に伝えた。 「なるほど……本当に主催者達はムシケラ以下ね、串刺しにして晒してやりたいわ」 「まあ能力の確認はこの首輪の外れた時にでもして下さい」 「………でも、どうやって元に戻るの?」 そこはやっぱり話さなきゃか 「どうやってって、優勝してですよ」 「えっ……でもそれって………」 「ええ、他の参加者達は殺すことになります」 「そんな……」 彼女は手を口に持っていき目線を下に移した、動揺しているな。散々さっきまで殺すだのなんだの言っていたくせに。 「いいですか、涼宮さん。貴女が元の世界に戻れればキョン君だけでなく他の皆も生き返るんです」 「でも……」 「よく考えてみて下さい。貴女以外の人が優勝したら、そいつしか生きて元の世界に帰れないんですよ。 も僕たちが優勝したら皆が生き返り、全ては上手くいくんです。……正義はどちらです?」 そういうと彼女は黙ってしまった。この話はこれくらいでいいか。 さて、本題に入ろうか。もう話して3分くらい経過してしまっている。 「そして今、僕の仲間は危機的状況にあります」 「……」 「恐らく彼女は今闘っている……いま外から聞こえてるのはその音でしょう」 「……」 「貴女に手伝って欲しい、彼女は僕たちの“作戦”に必要な人です」 「……」 さっきから彼女は沈黙を通している、これは……駄目か?駄目ならば殺すしか…… 「答えを……涼宮さん………」 「……わかったわ」 そういうと彼女は立ち上がり、いつもの調子で 「じゃあ作戦を立てましょう、敵を殺すには作戦が必要でしょ?」 と言った。 これは機関的にはマズイ事かも知れない、でも生還することの方が重要のはず。 生きて帰れたら長門さんにでも記憶操作を頼めばいい。それにこの緊急事態でそんな事言っていられない。 ともかく僕は一応勝った、後は八意さんだけだ。 「ではとりあえずこれを」 僕は彼女に二つ薬を渡す 「何これ、古泉くん?」 「右が鎮痛剤です、見たところ傷も酷いし使って下さい。左はドーピング剤、コンソメじゃないですよ。 まあそれは僕の指示で使って下さい。さて、実は作戦はもう考えてあるんです」 「え!!本当?」 「じゃあまず段取りから……」 【E-3 町・薬局内部/一日目・夜】 【古泉一樹@涼宮ハルヒの憂鬱】 [状態]:頭部強打、八意永琳を信頼、肩脱臼(肩は永琳にはめてもらいました) [装備]:無し [道具]:支給品一式*2(食料一食、水二本消費)、ゆめにっき@ゆめにっき(手の形に血が付着、糸で厳重に封をしてある) 逆刃刀@フタエノキワミ アッー!(るろうに剣心 英語版)、赤甲羅@スーパーマリオシリーズ、鎮痛剤一包み、 睡眠薬一包み、糸(あと二メートルほど)、裁縫針、ワンカップ一本(あと半分)、武器になりそうな薬物、小型爆弾、DCS-8sp(乾燥中のものも) [思考・状況] 1.永琳をお助けするゾ! 2.キョン君(´Д`;)ハァハァ…ウッ…… 3.優勝して、愛しの彼を生き返らせる。 4.殺し合いにのっていない参加者を優先的に始末。相手が強い場合は撤退や交渉も考える。 5.八意永琳、涼宮ハルヒと協力する。八意方はかなり信頼。 6.優勝して「合法的に愛しの彼とニャンニャンできる世界」を願う(ただし、生き返らせることを優先) ※地下に薬売りの部屋@怪~ayakashi~化猫には現在蓋がされています。よく見れば床に変な所があるとわかるかも知れません。 薬売りの部屋の床には退魔の剣@モノノ怪が刺さっていて、抜け穴の鍵となっています。抜け穴の行き先は不明です。 抜け穴の大きさは、大人が這って通れる程度です。 ※一方的に情報交換をしました。涼宮ハルヒの情報を古泉一樹は知っていますが逆は成り立ちません。 【涼宮ハルヒ@涼宮ハルヒの憂鬱】 [状態]:富竹への憎しみ、精神錯乱、左肩に銃創、左脇腹と顔面と首に殴られた傷、腕から出血、脇腹に弾丸がかすった傷、古泉達を信頼、鎮痛剤服用 [装備]:陵桜学園の制服@らき☆すた、包丁、 DCS-8sp [道具]:支給品一式*2、びしょ濡れの北高の制服@涼宮ハルヒの憂鬱、テニスボール、アニマルマスク・サラブレット@現実、ゾンビマスク@現実(ゾンビーズ) [思考・状況] 1.古泉についていく 2.どんな手段を使ってでも絶対に富竹を殺す 3.皆を蘇らせるために協力者を探す 4.ゲームの優勝 5.自分にそんな能力があるなんて…… ※第三回定時放送をほとんど聞いていません。死亡者の人数のみ把握しました。 ※自分の服装が、かがみを勘違いさせたことを知りました ※自分が狂い掛けている事に薄々気づいています ※喋れる様になりました。 ※脱出寄りでしたが優勝に方針を変えました。 ※自分の能力を教えられましたが半信半疑です。 sm150:無限大な思いのあとの 時系列順 sm152:二人合わせばレッドベジーモンの知恵(前編) sm150:無限大な思いのあとの 投下順 sm152:二人合わせばレッドベジーモンの知恵(前編) sm148:Encount Modern or Ancient 古泉一樹 sm155:『殲滅計画YOKODUNA』(前編) sm148:Encount Modern or Ancient 涼宮ハルヒ sm155:『殲滅計画YOKODUNA』(前編)
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/206.html
朝倉「あなたを殺して涼宮ハルヒの出方を見る」 冗談はやめろ! 朝倉「ビックリした? ふふふ・・・。 正確には死んだフリをしてもらうの」 そういうことか、おもしろそうだな。 わかった。協力しよう。 朝倉「じゃあ、本当に痛そうなフリをしてね」 …ぐあっ あぐっ ぅぅう・・・ガクッ (自分で言うのもなんだが、迫真の演技だな。) 長門「あなたは私が !!!! ・・・(間に合わなかった・・・・!!? そんな)」 ハルヒ「 ! ちょっ、キョン!!? なんでよ!?」 朝比奈「どうしたのでs・・・ キョン君!? キョン君!!」 朝倉「ふふっ。 私はキョン君のことが欲しかった。 でも手に入らなかったの。 ・・・でも、どうしても欲しかったの。 こうすればずっと私のものでしょ?」 一瞬空気が凍りついたように思われた。 三人のが逆立ったような気がした。 長門「 ・・・ターミネートモード。 敵は取るわ。キョン、大好き。」 ハルヒ「・・・・許さないわ。キョン・・・。 もっと素直に好きって言えたら・・・。」 朝比奈「キョン君・・。 好きだったのに・・・。 朝倉ァ! うぬは覚悟出来ているんじゃろうなァ!! ワシも昔はゴンタ者じゃったけえ、 加減はせんばい!」 朝倉「・・・ これはあげない。」 ちょ、これはどういった展開なんだ!!!! 嬉しいけど・・・これじゃあまずぃ って耳たぶをかむな朝倉!!!! ビクッ ブルブル ・・・くやしい 長門ハルヒ朝比奈「 !! ・・・キョン!!! 騙したのかァ!!!」 朝倉「好きってのは 本当よ。 奪って見せなさいよ」 って朝倉までやめろおおおおおぉお ストップ、ストップーーーーー!! 谷口「WAWAWA忘れ物~ ひぃ、 これは な、なんなんですかぁ・・・ 何で私、ここにいるのですか・・ なんでこんなに修羅場なんですか・・・ し、失礼します!!!」 たにぃぃぃぐちいぃぃぃ 俺を見捨てないでくれ!!! 「さあ、誰にするの?」 冗談じゃない、 いや、ゆるして・・・。 おわり
https://w.atwiki.jp/haruhi-2ch/pages/53.html
涼宮ハルヒの退屈 基礎データ 著:谷川流 口絵・イラスト・表紙:いとうのいぢ 口絵、本文デザイン:中デザイン事務所 初版発行年月日:平成16年(2004年)1月1日 本編298ページ 表紙絵:長門有希 タイトル色:黄色 初出涼宮ハルヒの退屈(ザ・スニーカー2003年6月号)、笹の葉ラプソディ(ザ・スニーカー2003年8月号)、 ミステリックサイン(ザ・スニーカー2003年10月号)、孤島症候群(書き下ろし) 初出順:涼宮ハルヒの退屈(第1話)、笹の葉ラプソディ(第3話)、ミステリックサイン(第4話)、孤島症候群(第7話) 裏表紙のあらすじ紹介 ハルヒと出会ってから俺は、すっかり忘れたと言葉だが、あいつの辞書にはいまだに"退屈”という文字が光り輝いているようだ。その証拠に俺たちSOS団はハルヒの号令のもと、草野球チームを結成し、七夕祭りに一喜一憂、失踪者の捜索に熱中したかと思えば、わざわざ孤島に出向いて殺人事件に巻き込まれてみたりして。まったく、どれだけ暴れればあいつの気が済むのか想像したくもないね……。非日常系学園ストーリー、天下御免の第3巻!! 目次 プロローグ・・・Page5 涼宮ハルヒの退屈・・・Page7 笹の葉ラプソディ・・・Page74 ミステリックサイン・・・Page133 孤島症候群・・・Page182 あとがき・・・Page304 アニメ テレビアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』より 2006年放送第4話『涼宮ハルヒの退屈』(2009年放送では第7話) 2006年放送第6話『孤島症候群・前編』(2009年放送では第10話) 2006年放送第7話『ミステリックサイン』(2009年放送では第9話) 2006年放送第8話『孤島症候群・後編』(2009年放送では第11話) 2009年改めて放送した『涼宮ハルヒの憂鬱』より 2009年放送8話『笹の葉ラプソディ』 漫画 ツガノガク版(雑誌の発表号などの詳しい情報はツガノ版漫画時系列で) コミックス第3巻に収録第10話『涼宮ハルヒの退屈 I』 第11話『涼宮ハルヒの退屈 II』 第13話『笹の葉ラプソディ I』 第14話『笹の葉ラプソディ II』 コミックス第4巻に収録第15話『ミステリックサイン I』 第16話『ミステリックサイン II』 第17話『ミステリックサインおかわり』(オリジナルだが、原作で示唆アリ) 第18話『孤島症候群 I』 第19話『孤島症候群 II』 ぷよ版 涼宮ハルヒちゃんの憂鬱コミックス第2巻に収録 笹の葉ラプソディのパロディ少年エース連載第12回、2008年8月号(7月7日-対策-やる気-願い-失念-ミッション-再利用-笹の葉ラプソディ(非4コマ)-変態-不法侵入-地上絵-寝起き-おつかい-パジャマ-解読-ニアミス) みずのまこと版 コミックス未収録 ※保有している方加筆お願いします。 登場キャラクター(原作のみ登場) キョン 涼宮ハルヒ 長門有希 朝比奈みくる 古泉一樹 鶴屋さん 朝比奈さん(大) コンピュータ研究部部長 喜緑江美里 谷口 国木田 キョンの妹 森園生 新川 多丸圭一 多丸裕 あらすじ 後に繋がる伏線 刊行順 ←第2巻『涼宮ハルヒの溜息』↑第3巻『涼宮ハルヒの退屈(原作)』↑第4巻『涼宮ハルヒの消失』→
https://w.atwiki.jp/haruhi_dictionary/pages/133.html
商品情報 キャッチコピー 要点 公式HP 商品情報 通常版 タイトル 涼宮ハルヒの追想 発売日 2011年3月24日 価格 PS3・7,329円(税込)/PSP・6,279円(税込) ジャンル ワンデルングアドベンチャー 対応機種 PS3・PSP メディア PS3・Blu-ray Disc/PSP・UMD 開発元 ガイズウェア 発売元 バンダイナムコゲームス 監修 アニメ制作委員会 プレイ人数 1人 対象年齢 審査予定 限定版 タイトル 涼宮ハルヒの追想 発売日 2009年5月28日 価格 PS3・11,529円(税込)/PSP・10,479円(税込) ジャンル ワンデルングアドベンチャー 対応機種 PlayStation3/PSP メディア PS3・Blu-ray Disc/PSP・UMD 開発元 ガイズウェア 発売元 バンダイナムコゲームス 監修 アニメ制作委員会 プレイ人数 1人 対象年齢 審査予定 キャッチコピー たとえもう、二度と会えなくても、俺がお前を憶えている――― 要点 フルボイスで描かれるオリジナルストーリー PSP版とPS3版のセーブデータが連動 2Dキャラクターは作画段階からフルデジタルで作成 音声リソースの品質アップ 次元ブックマーカー 公式HP 涼宮ハルヒの追想 公式サイト
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/5414.html
翌日。 何を期待するわけでもなく無意味に靴箱の奥を覗いてみたりしながら教室に辿り着くと、ハルヒがほおづえをついて窓のほうを向いていた。いつものことだと思って俺はようとだけ声をかけ、ハルヒの前の席に腰を落ち着ける。それでもまるで反応がなかった。 とことん解らんヤツだ。昨日まで七夕だ夏合宿だと騒いでたというのに、明けてみれば省エネモードになってやがる。最近は機嫌がよすぎたから個人的に調整でもしてるのかね。ああ、それとも何だ、憂鬱症候群がぶり返しでもしたのか? 「…………」 ううむ、気味悪いほど無言である。顔の表情一つ動かさない。 デフォルトで無口じゃない奴が唐突に無口になったりすると周りにいる人間が困るんだよな。ハルヒの場合は躁鬱病的にやたらテンションが高いときと低いときがあるわけだが、それにしたってハルヒ、お前との沈黙は長門の沈黙ほど心地よいものではないな。 「…………」 「何か、あったのか?」 依然動きなし。カラクリ仕掛けの人形みたいに視線を窓の外の空に固定したまままったく動かない。窓ガラスが映すハルヒの目は魂が抜けていた。 「喋れよ」 「……うるさい」 この始末である。俺はさすがにこのまま前を向く気にはなれずに、 「昨日までの元気はどうしちまったんだ。合宿でみんなと遊びまくるとか言ってうるさかったのに」 一瞬、ハルヒの目が大きく見開かれたような気がした。取り調べでまずい証拠を提示された容疑者のような表情だ。 「昨日、何かあったんだな? 九曜――長門たちと」 「退部するって」 は? ハルヒは一言だけ呟いて後はひたすら黙った。ちょっとしてから俺の顔を睨んで机に伏せようとしたが、何を思ったのかやめて、またガラスの外の世界を眺めた。凛として威厳に満ちあふれた生意気な顔である。 俺は状況が読み込めなくなって、数回ほどハルヒの言葉を頭の中で繰り返した。 退部するって。 いや、何が。昨日九曜たちと何があったのか。退部するって。退部? 退部って何だ。部活を抜けるというアレか。それ以降、退部したヤツは部活に来ないっていうアレだ。 部活? そんなもんは決まってる。SOS団だ。それを退部するって。なに? 俺の頭には大量のクエスチョンマークが飛び交い、予想外すぎる出来事に少なからず戸惑っていた。そして俺の目の前で空を見つめ続けるハルヒ。なんだ、なんなんだ。 「やめるってさ。三人とも、SOS団をね」 「はあ!?」 教室中に響きわたるような声で叫んでいた。セミまでもが鳴きやんだように感じた。 頭がふっとんだ状態になって、まるで紙に染み込む赤色インクのように、時間が経つにつれじわじわと浸透してくる現実味。SOS団をやめる。九曜と偽古泉、偽朝比奈さんが。口あんぐりでハルヒの顔を見返した。やつは強気な顔で、ただほおづえをついて唇を結んでいた。 どう言葉を発していいものやらさっぱりだ。まだホワイトモードから立ち直れない俺の頭に、言うべき言葉の代わりに妄想が走馬燈のごとく浮かび上がった。 部室にいるのは俺とハルヒだけで、長門も朝比奈さんも古泉もいない。もちろんパソコンは二台だけだし、大量の本もない。朝比奈さんがいないのだからコスプレ一式もなく、ボードゲームもない。ただ、去年の四月にハルヒが持ち込んだ雑多なものばかりが妙に寂しさを演出している文芸部室――。 そこでは、俺はハルヒと一対一で口論しあうだけの存在であり、だったら野球大会なぞに出られるわけもなく、映画撮影だってできないし、まさかとは思うが合宿も二人だけだ。空虚という言葉がこれほどまでにしっくりくる例が他にあるだろうか。 そんなバカな…………。 俺は妄想を振り払った。 「冗談だろ?」 ハルヒは怖いくらい冷たい表情を変えず、姿勢もまったく変えない。俺の問いかけに答える気はないらしい。 待て待て。なんなんだこれは。あの三人が部活をやめるらしい。昨日までずっと何かの変化があったから、その続きのつもりなのか。長門が消えて朝比奈さんが消えて、古泉が消えるのと入れ替わるようにして周防九曜、ダミーの朝比奈さんと古泉がSOS団に侵入してきた。そして今日になったら侵入してきた三人が部活をやめると言っている。 いったいどこへ向かうんだ。 俺とハルヒを二人にして何が楽しい。そんなことをして何の意味がある。SOS団は五人でないとダメなんだ。 「何でそんなことをしやがった……」 「知らない」 ハルヒは口もとをぴくつかせ、同時に肩も震わせていた。俺もさすがにそれ以上何か言えるわけでもなく、また得られる情報もないだろうとおとなしく前を向こうとした。 その時、前を向く寸前、俺の視線がハルヒからはずれる寸前、俺は見てしまった。毅とした表情のハルヒが、最後の一瞬だけ、この世のあらゆる戸惑いと哀しみを背負ったような表情をしたのだ。眉がよって、目は曇り、唇はギュッと結んだままで。俺はそれを見たとき、何だかわけの解らない激しい感情を覚えた。 こともあろうか、ハルヒを巻き込みやがった! タブーをこともなげに使ったのだ。世界改変が起こるからとか情報爆発が起こるからとか、うん、まあそれもあるだろうが、何て言うべきか……とにかくハルヒをこの事態の渦中にぶち込んではならなかったのだ。それも、部活をやめるという超直結型で。最悪級だ。根底を覆すような真似をしてくれた。退部する? ほざくんじゃねえ。今さら切れる縁じゃないんだ。事実俺は退部なんてことは頭にもなかった。想定外にも程がある。 「おはようっ」 憎らしいほど快活な声をして担任岡部が入ってきた。 ハルヒにつられて空を見れば、雲一つない快晴だった。もうどこかに行っちまった梅雨前線が戻ってきて仕事してくれればいいのに、憎らしいほどカラッとして暖かい陽気だった。嫌になる。青天の霹靂でも起こればいいのだ。 * 退部する――。 ハルヒの憂鬱が空気感染するものだったのか知らないが、はたして俺は三時限目が終わるまで自分の机を動けずにいた。ハルヒはよくも集中力が長続きするもんだ、アヘン中毒者のような目をして延々と空模様を眺めるばかりである。残念ながら雨が降り出すようなことはなさそうだ。 どうしていいものやら、俺はショック症状の最中にいた。 真相を知らないハルヒのショックは察するだけでも痛いが、俺とてまさかこんなことになってみようとは想像もしていなかった。頭はさっきから謎な妄想を繰り広げるばかりで、もはやまともに稼働しなくなっている。 おかげで授業はさっぱり聞けやしない。右から入って左に抜けるだけならまだしも今日は右に入る前に完全にシャットアウトされており、その代わりに頭の中で壊れたフィルムがずっと同じ部分を繰り返すがごとく退部という熟語が渦巻くのはどうにかして欲しい。 古泉を徹底的に言及してやろう。 俺が古泉に言い寄ることを思いついたのは、休み時間、後ろのハルヒと仲良く仏頂面で地蔵になっている最中のことだった。偽物でも奴ならば説明好きに違いないのだろう。 もはや躊躇う必要などない。俺は教室を出て廊下に繰り出した。もういい。納得できるまで説明させてやる。 「やあ」 そう決心したはいいが、俺は早速出鼻をくじかれた思いになった。ギョッとしてそいつの顔を見る。 「風邪は大丈夫なんですか?」 まるで俺が出てくるのを待ちかまえていたかのように、そこには古泉一樹の含み笑いの顔があった。いや、事実待ちかまえていたのだ。九曜の手下ならそのくらいはする。 「どうだろうね。最近はもっぱら精神病にかかってるように思えてならねえよ」 「そうでしょう。まだ精神を病んでいなかったとしたら、そちらのほうが異常です」 「何で急にSOS団を抜けるなんて言い出しやがった。昨日の今日だろ」 「そうですか? それほど急でもないと思ってたんですけどね。あなたも御存知の通り、我々は先日から涼宮ハルヒの情報改変能力を利用して、我々が涼宮ハルヒを観測する上で障壁となりうる存在を次々と削除してきました。順調に行くかと思われましたが、思わぬ事態になってね。涼宮ハルヒにあなたを消すようにし向けてもなぜかあなただけは抹消されなかったんです。それどころか我々の支配に対する涼宮ハルヒの反発力がどんどん強くなってきはじめまして、このままではせっかく削除した存在が復活してしまうようなことになりかねませんでした。そこで仕方なく、九曜さんや僕、朝比奈さんが一時的にこの世界に潜入したわけです。退部という形で、涼宮ハルヒの記憶から元の世界の三人を完全に切り離すためにね」 俺は絶句しながら、ああなるほどとか頭の隅で思った。 ハルヒの記憶には消えてもなお、まだ長門や朝比奈さんや古泉の輪郭が残っていたのだろう。さらに外部から圧力がかかってるとなれば、そこは黙っているハルヒではない。無意識状態でもかなりのタチの悪さだ。結果、ハルヒは抹消しちまった三人を取り戻そうと九曜の頭脳支配に反発する。しかし九曜サイドとしては、あの三人がいてはハルヒの観測をする上でどうしても邪魔になるのだった。どうにかしてハルヒの頭にこびりついている三人を取り除かなければならない。どうすればいいか。もともとハルヒとあの三人でつながりがあるのは部活だけである。だったら、その部活をやめてしまえばハルヒとのつながりはなくなり、ハルヒも未練だけで長門たちを呼び戻そうとはしないだろう。 と、そんなところか。 しかしそんな話をよくも俺に向かって堂々と言えたもんだな。 いや、違うね。どうせこいつだって九曜の手下だ。感情とかいう高等な概念は持ち合わせてないんだろうよ。俺にこんなことを隠しもせずに話して、俺がどんな思いになるのかもまったく予測できないのだ。九曜は確かに脅威だが、月並みの感情を持ってないところが穴だったな。 おかげで俺は決心がついちまった。 絶対、ハルヒに正しい長門、朝比奈さん、古泉のことを忘れさせたりするもんか。そんくらいの努力なら俺だってできるんだ。 「おい古泉、お前、残念だったな。やっぱり長門のほうが高性能のアンドロイドらしいぜ」 偽古泉は何を言っているのかさっぱり理解できない、といった感じの表情をして俺を見ている。この際だ、病人を見るような目でも何でもしやがれってんだ。この一年で長門が獲得した感情ってのはな、ずいぶん貴重なものだったらしいぞ。この古泉を見てたら、それがはっきりと解った。 * 始業のチャイムで俺と偽古泉は別れた。もう二度と会うこともないだろう。あんなヤツ、俺が会いたくない。部活をやめるということが、俺はともかくとしてハルヒにどんな影響を与えるかだけは理解しておくべきだったのだ。こういうことを俺がうまく表現できる自信はないが、ようするにあいつもまた人間だってことさ。もちろん感情だってある。あいつらとは違うんだ。 * 昼休み、俺に机を寄せたがる谷口と国木田をスルーして俺は部室へと向かった。弁当を持って行くべきかどうかと思い悩んだが、そんなに悠長にやってる場合でもないだろうから教室に置いてきた。昼飯ぐらいいくらでも我慢してやる。 部室への道のりで偽朝比奈さんやコンビを組む鶴屋さんとすれ違ったりすることもなく、俺は順調に部室に到達した。このまま開ければ誰もいないか、あるいは九曜がいたり、もしかするとハルヒが何かやってるのかもしれんが、俺はあえて通常空間の中を確認することなくポケットから鍵を取り出した。思わぬもんを見ちまうと、心証が悪くなる以上に動揺するだろうからな。これ以上疲れるのはうんざりだ。 TPDDを原材料とした鍵を扉の鍵穴に突っ込んで回すと、どこかでカチャリとかいう音が聞こえたような気がした。回して開く。 「おっと、早速戻ってきたんですか? 何か忘れ物ですか?」 クリーム色の空間、物理的に物音一つしないこの部屋に入った俺を出迎えたのは、ハンサムスマイルの古泉だった。頭が痛い。見かけ上、こいつはさっきの偽古泉とまったく同じだからな。 「いや、こっちはもう一日くらい経ってるんだが。昼休みにちょっと来させてもらってるんだ」 「何と、本当ですか……。驚きですね、こちらではあなたが鍵を手にして出ていってから一分弱ほどしか経ってませんよ?」 古泉は心底意外そうな顔をしており、ちょっと視線をずらせば朝比奈さんもまた口に手を当てて驚いてらっしゃる。存在自体がデタラメな空間なだけにそういうディテールに凝った質問は黙殺することにする。俺は部室の奥でパイプ椅子に座っている万能宇宙人に目をやった。どうせこいつが何かしたに違いない。主観時間と客観時間にずれを生じさせたとか、やり方ならいくらでもあるだろう。 「それどころじゃないんだ。大変なことになった」 俺は一日にあったことを包み隠さず三人に話した。 偽者が現れてSOS団をやめる、とか言ってきたこと、その理由について偽古泉から聞いたこと等々。 長門は黙々と、朝比奈さんは場面場面で表情を曇らせたりしながら、古泉はちょうどいいタイミングで相槌を打ちながら俺の話を聞いていた。そんでもって俺はここに来たのだと言うと、口をつぐんで三人の顔を眺めた。 「涼宮さんは……。キョンくん、涼宮さんの様子はどうでしたか?」 珍しくも沈黙を破ったのは朝比奈さんだった。 「そうですね。やっぱ普通じゃなかったです。俺が振り返るといっつも窓の外ばっか見てるんですよ、あいつ。授業中も」 さすがに言葉を切った。くだらん感傷だけど、ハルヒのためにね。 「ちょっと、まずいかも……。これは、禁則になるんですけど、SOS団が解散したり涼宮さんとあたしたちの間に大きなわだかまりができるのはどんな未来にとってもいいことにはならないんです。あたし、映画撮影のときに涼宮さんとキョンくんがケンカしたときに何か言ってたでしょう?」 「ああ、そういやケンカはダメですとかって言ってた覚えがありますね」 あれはそういうことだったのか。俺がもしSOS団をやめると、未来にどう反映されるかはいまいち解らんが。 「僕も同感ですよ」 古泉が首を突っ込んだ。 「僕の立場から、というわけでなくとも、涼宮さんに直接手を出すのはある意味タブーです。しかも、SOS団から抜けるなどということをするなんて論外ですよ」 「ハルヒの精神に手を出すと面倒なことが起こるからか?」 古泉は意外そうな表情を作ってを俺に向け、 「ほう、あなたはそうお考えなんですか? 僕に言わせれば、そのこともありますけど、もっと純粋な部分もあると思いますけどね。それでも解らないようなら、僕はあなたに対する尊敬を失いますよ。これは僕の専門外ですが、あなたにとっては専門分野ですよ」 ふん。 お前に言われるまでもない。あのあまりにも虚しい様子のハルヒを見てれば、俺じゃなくたってそんな気持ちになるね。正直俺は退部されたってことよりもハルヒがあの状態だってことのほうがよっぽどショックなんだ。 「それを聞いて安心しました。僕がわざわざ忠言するまでもないでしょう。これからどうするかは、すべてあなたにお任せします。あなたなら、おそらく僕たちの誰よりも涼宮さんを解っているでしょうからね」 古泉は長門と朝比奈さんに目を向けた。そうでしょう、とでも言うかのように。 「キョンくんなら大丈夫です。あたしは結局あんまり役に立てなかったかもしれないけど、キョンくんはその鍵を持っているでしょう?」 長門もついと焦点を俺に持ってきて、 「わたしも、ここで待ってるから」 何だか示唆的なことを言って読書の海へと戻っていった。 * 「ふぅー……」 ハルヒがようやく言葉を発した。と思ったらため息だった。それで俺は、ハルヒは今の今までため息すら一度も吐いていなかったのだと気づいた。 そろそろ夕日が空に浮かぶ頃合いだ。掃除当番がせっせと働いているときからハルヒは窓の外を見っぱなしで、掃除当番が引き上げた後もその調子だったため、疲れるだろうと思って俺は購買で飲み物を買ってきてやった。さながらマネージャーのように俺がブラックコーヒーを差し出すとハルヒは黙ってそいつを手にした。現在、ブラックコーヒーを飲み終わったハルヒは、まだ空き缶を手でいじりながら窓から外を眺めている。そんなに面白い世界でも広がっているんだろうかね。窓の外にはよ。 俺のどこか深いところでいい加減ふっきれちまえと自分に向かって呼びかけているのが解る。だが俺はあえてその感情を押し殺した。これは俺に対する試練ではないからだ。俺の心なんてのは決まっている。問題は、ハルヒがSOS団という団体をどう考えているかだった。 あの偽古泉は俺にわざわざ説明してくれたのだ。ハルヒの無意識が勝手に暴走して長門や朝比奈さん、古泉を抹消した。そしてその力が俺に向けられようというときになって、ハルヒの無意識がとうとう九曜の頭脳操作に反抗したのだ。反抗の力はどんどん強まり、ついには抹消されたはずの長門たちをも復活させようという勢いになっている。 そこでの退団宣言。 俺は、ここがハルヒを変える大きな分岐点だと思っている。もしあいつが本当にSOS団に――お遊びサークルではない、宇宙人、未来人、超能力者がいる団体という意味でのSOS団に――未練を感じているのだとしたら、本物の長門たちは復活するし、ハルヒが俺に向かってそういう仕草をするに決まっている。しかしもし、SOS団をただのお遊びサークルだと捉えていたとすればSOS団は復活しない。どんな葛藤があってもハルヒは最終的に、まあ仕方ないで済ませてしまう。あいつの人格なら別のお遊びサークルを作ることなんて簡単だからだ。代用がきく。ただしそれはSOS団とは違って、謎的存在は一切含まれない代用品だ。 それで納得するなら謎的存在はハルヒにとってはもう必要ないということになる。近頃のハルヒを見ていると、どっちになるかは正直かなり微妙だった。 「キョン、あんたも部活をやめるの?」 「俺は続けるさ。もしお前と二人だけになっても、たぶん卒業までな」 俺は即答した。もしハルヒからこういう質問がきても、絶対にこう答えようと決めていた。 俺の気持ちはすでに固まっている。これはもう最低限のプライドと意地の塊なのだ。 「別にあたしに気を遣わなくてもいいわよ」 そんなつもりではないと言おうとしたらハルヒが続けた。 「……こんなこと、言わせないでよね」 言うかどうか迷ってから言ってしまって後悔したような顔をしている。それからムッとした顔になると、ブラックコーヒーの空き缶を窓の外に放り投げた。 缶だけが窓の外の世界に、放物線を描いて飛んでいった。 「とりあえず、合宿は取り消しね。このままじゃ行っても意味ないから。ああ、鶴屋さんにも伝えとかないと……」 行っても意味がない? そうじゃない。違うのだ。なぜなら退団したのは偽物の長門たちだからだ。本物はちゃんといて、合宿にも付き合ってやるつもりなのだ。 俺は猛烈にそう進言したかったが、言ってやるわけにはいかない。合宿が取り消されるかどうか、ひいてはSOS団がなくなるかどうかを決めるのはハルヒの心なのだ。お遊びサークルで済ませてしまうか否か。 「帰るっ!」 ハルヒが吐き捨てるように言って席を立った。鞄を持って、入り口に向かってずんずん進む。小さくなる後ろ姿。 俺は絶望した。 もはやSOS団は消えるしかない。ハルヒの好奇心は薄れ、謎的存在は不必要なものになってしまったのだ。 これからどうしようか……。 どうしようもなく途方に暮れていた俺は、次の瞬間、自分の曇った窓ガラスのようになってしまった眼を大きく見開いた。思いも寄らぬ光景が目に飛び込んできたからだ。 俺はその光景に目をとられ、釘付けになった。 そこには、絶対にさせてはならない、見てはならないものがあった。 ハルヒの黒目がゆらゆらと揺れて、そこから生み出される宝石のような、真珠よりもルビーよりも貴重なたった一滴の何かが流れ出ていた。 このときの俺はさぞかしアホな面をしていただろうな。 俺の中の何かが音を立てて崩れていった。それとともに俺はようやく悟った。ハルヒの言葉にならない言葉が俺には伝わった。 こうなったらどうするかも、実は既に決めてあった。 「ハルヒ、来い!」 俺は意を決してハルヒの手を取った。顔も見ずに走り出すと、ハルヒは抵抗せずについてきた。向かう場所はただ一つ、SOS団の部室だ。教室を飛び出して廊下を抜ける。 いつだったか、こんなことがあったな。あれはハルヒに言わせれば夢世界の出来事だが、今は違うぜ。ハルヒが否定しようがしまいが、これは現実だ。そして俺は、ハルヒにこれが現実だと解らせてやる必要があるのだ。周防九曜とその手下どもこそが、ただの夢に過ぎなかったのだと。 なぜなら、ハルヒがそう望んだからだ。 通い慣れた部室棟にはあっという間に到着した。二階に続く階段を上り、コンピ研を通り過ぎてその横の文芸部室もといSOS団部室の前で走っていた足を止める。 「ちょっと、キョン?」 ハルヒが何か言っているが、今は無視するしかない。何か言うのはこの中の光景を見てからにしてくれよ。 もちろん、普段の放課後のようにそのまま扉を開けたら、そこにいるのは偽朝比奈さん、偽古泉、そして周防九曜である。あいつらなら、今頃SOS団を抜け出せて不安定要素がなくなっていい気分になってるだろう。奴らを見たら即刻束にして七回斬り捨ててやりたい気分だが、今行かねばならないのはあいつらのところではない。本当のSOS団のところだ。 ポケットから鍵を出すのすらももどかしい。朝比奈さんのTPDDを使って作られた、超空間移動プログラムが書き込まれているという鍵。それを木製の古ぼけた扉の鍵穴に差し込み、回した。 カチッ。 解錠された。 俺は後ろで立ち尽くしているハルヒの手を取ると、うつむいているハルヒを見て言った。 「ハルヒ、すべてを思い出せ。あるいは気付きやがれ。SOS団はお前がそう望んだからできた団体だったんだ。今もお前はそう望んでいる。だってのに、途中退団なんかできるわけねえだろうが」 ハルヒが顔を上げる。妙な驚きにまみれたような、初めて見る気抜けした表情だ。 「よく見ろよ。これが本当のSOS団だ」 扉を開けて、中に足を踏み入れる。俺とハルヒは暖かいクリーム色に包まれた。 そこには――、 「やあ、これはこれは涼宮さん。どうでしょう、僕を覚えてくれてますかね。もし忘れてしまっていたとしても、僕は卒業までお付き合いするつもりですよ」 「あっ、あの、涼宮さん……。あたし、あんまりお役に立てないけど、がんばるのであと一年よろしくお願いしますっ」 「わたしは、これからもここで本を読み続けるから」 精神概念体の、長門、朝比奈さん、古泉がいた。 それぞれいつもの定位置に。ああ、そうさ。これが紛れもないSOS団だ。背景がクリーム色だろうと、三人の実体がなかろうとそんなことは関係ない。ハルヒ、これが真実なんだよ。宇宙人と未来人と超能力者だ。 「おい」 俺もまた、半分口を開けて呆然としている憎らしいくらい整ったその顔に言ってやる。 「俺らはまだ人間やってる。機械とはけっこう違ってるんだぜ」 「そんな……」 ハルヒは口から呟きを漏らし、それから油ぎれロボットのような動きで首を回して部室内を眺めた。 混乱してもいい。夢だと思っても構わん。 でもこれは、お前が選んだんだ。だからお前の深層意識は、絶対にこれがどういうことかを理解しているはずだ。ここはお遊びサークルではない。このヘンテコな空間がそれを物語っている。 ハルヒの目が、一人の団員のもとで止まった。 小柄なセーラー服姿の、読書好きの団員。そいつだけが偽者と本物の姿が違っていて、偽物は周防九曜が成り変わっていた。ハルヒはこいつが誰かを知らないはずだった。 「――有希」 そう言ったのはハルヒだった。 どこかで轟音がしてくる。頭の中なのか、それともこの校舎が突貫工事でも始めたのか。だったら避難をしなければならない。 そんなことを意識外で思った次の瞬間、俺は猛烈な吐き気を覚えた。大地震でも起きたのか、激しい揺れが起きた。無重力下でぶんぶん振り回されているような感覚である。揺れは収まることなく俺らをかき混ぜ、やがては風景が消失してまばゆい光が射し、俺は目を開けていられなくなった。いかん。網膜が焼かれたかもしれん。上と下が入れ替わる。光速のようなスピードで、これは上がっているのか、それとも落ちているのか? それすらも解らん。ハルヒはどこに行った。俺はどこに向かっているんだ。反転しながら吹っ飛ばされる。どこへ。四年前の七夕か。朝倉涼子と脇腹の激痛を思い出す。今度は周防九曜か。ふざけるな。あいつなら宇宙の果てに飛ばしちまえばいい。そして戻ってこい、宇宙人の長門。
https://w.atwiki.jp/ws_wiki/pages/1766.html
ヴァイスサイド 涼宮ハルヒの憂鬱カードリスト ブースター エクストラブースター トライアルデッキ パワーアップセット プロモーションカード 総評 ブースター 発売日:2009/12/19(土) カード種類数:全100種(RR:8種/R:20種/U:28種/C:32種/CR:4種/CC:8種)+パラレル16種(SP:2種/RRR:6種/SR:8種) 番号 種類 レアリティ 色 カード名 レベル/コスト スペック 特徴 SY/W08-001 キャラ RR RRR 黄 キョン 0/0 2500/1/0 《SOS団》 SY/W08-002 キャラ RR 黄 サンタっ娘ハルヒ&キョン 3/2 10000/2/1 《団長》 《SOS団》 SY/W08-003 キャラ R SR 黄 Xmasパーティ キョンの妹 0/0 500/1/0 《動物》 SY/W08-004 キャラ R RRR 黄 謎の転校生 古泉 1/0 2500/1/0 《超能力》 《SOS団》 SY/W08-005 キャラ R 黄 見えざる信頼関係 ハルヒ&キョン 1/1 5500/1/1 《団長》 《SOS団》 SY/W08-006 キャラ R 黄 “いつも”のキョン 2/1 8000/1/1 《SOS団》 SY/W08-007 キャラ R SR 黄 浴衣のキョン 2/2 7500/2/1 《SOS団》 《和服》 SY/W08-008 キャラ U 黄 森 園生 1/0 3000/1/0 《メイド》 SY/W08-009 キャラ U 黄 水着のキョンの妹 1/0 4500/1/0 《動物》 《水着》 SY/W08-010 キャラ U 黄 部室のキョン 1/1 5000/1/1 《メカ》 《SOS団》 SY/W08-011 キャラ U 黄 古泉 一樹 2/2 8000/2/1 《超能力》 《SOS団》 SY/W08-012 キャラ U 黄 部室の長門&古泉 2/1 2500/1/1 《宇宙人》 《超能力》 SY/W08-013 キャラ C 黄 クラスメイト国木田 0/0 500/1/0 《特徴なし》 SY/W08-014 キャラ C 黄 エプロン姿のキョン 0/0 1000/1/0 《本》 《SOS団》 SY/W08-015 キャラ C 黄 エプロン姿の古泉 0/0 1500/1/0 《超能力》 《本》 SY/W08-016 キャラ C 黄 クラスメイト谷口 0/0 2500/1/0 《特徴なし》 SY/W08-017 キャラ C 黄 がんばりすぎのみくる&キョン 0/0 3000/1/0 《時間》 《SOS団》 SY/W08-018 キャラ C 黄 ダンディな執事 新川 1/0 4500/1/0 《執事》 SY/W08-019 キャラ C 黄 キョンの妹&朝倉 2/1 8500/1/1 《動物》 《宇宙人》 SY/W08-020 イベント U 黄 合宿の夜 1/1 EV SY/W08-021 イベント U 黄 雨の日の帰り道 2/1 EV SY/W08-022 イベント C 黄 ふもっふ! 2/2 EV SY/W08-023 クライマックス CR 黄 涼宮ハルヒの朗報 CX 2 SY/W08-024 クライマックス CC 黄 sleeping beauty_ CX 1・風 SY/W08-025 クライマックス CC 黄 閉鎖空間 CX 1・炎 SY/W08-026 キャラ RR RRR 緑 異時間同位体 みくる&みくる(大) 2/1 8000/1/1 《時間》 《SOS団》 SY/W08-027 キャラ RR 緑 ドジっ娘みくる 2/2 2500/2/1 《時間》 《SOS団》 SY/W08-028 キャラ R SR 緑 おめかし鶴屋さん 0/0 1500/1/0 《オデコ》 《八重歯》 SY/W08-029 キャラ R 緑 朝比奈 みくる 0/0 2000/1/0 《時間》 《SOS団》 SY/W08-030 キャラ R 緑 温泉の鶴屋さん 0/0 2000/1/0 《オデコ》 《八重歯》 SY/W08-031 キャラ R RRR 緑 時をかける少女みくる 1/0 500/1/0 《時間》 《本》 SY/W08-032 キャラ R SR 緑 水着のハルヒ&みくる 1/1 5000/1/1 《団長》 《時間》 SY/W08-033 キャラ U 緑 おめかしみくる 1/0 3000/1/0 《時間》 《SOS団》 SY/W08-034 キャラ U 緑 ネコミミ 鶴屋さん 1/0 3000/1/0 《オデコ》 《動物》 SY/W08-035 キャラ U 緑 ビーチバレー みくる&鶴屋さん 1/1 7000/1/0 《水着》 《スポーツ》 SY/W08-036 キャラ U 緑 ウェイトレス鶴屋さん 2/2 7500/2/1 《オデコ》 《ウェイトレス》 SY/W08-037 キャラ U 緑 ネコミミ みくる 3/2 10000/2/1 《時間》 《動物》 SY/W08-038 キャラ C 緑 サイン会みくる 0/0 500/1/0 《時間》 《本》 SY/W08-039 キャラ C 緑 SOS団のマスコットみくる 0/0 2000/1/0 《時間》 《メイド》 SY/W08-040 キャラ C 緑 ウェイトレスみくる 0/0 2000/1/0 《時間》 《ウェイトレス》 SY/W08-041 キャラ C 緑 バニーガール ハルヒ&長門&みくる 0/0 3000/1/0 《動物》 《SOS団》 SY/W08-042 キャラ C 緑 未来から来たみくる 1/0 4500/1/0 《時間》 SY/W08-043 キャラ C 緑 Xmasパーティ 鶴屋さん&みくる 2/1 8000/1/1 《時間》 《オデコ》 SY/W08-044 キャラ C 緑 ミラクルガール みくる 2/2 9000/2/1 《時間》 《メイド》 SY/W08-045 イベント U 緑 みくるビーム 1/1 EV SY/W08-046 イベント U 緑 任意同行? 1/4 EV SY/W08-047 イベント C 緑 野球大会 2/0 EV SY/W08-048 クライマックス CR 緑 涼宮ハルヒの日常 CX 宝 SY/W08-049 クライマックス CC 緑 禁則事項です CX 袋 SY/W08-050 クライマックス CC 緑 もうボロ儲けだよっ! CX 2 SY/W08-051 キャラ RR 赤 Xmasパーティ ハルヒ&キョン 1/2 5500/1/1 《団長》 《SOS団》 SY/W08-052 キャラ RR SP 赤 SOS団団長ハルヒ 2/2 8500/2/1 《団長》 《SOS団》 SY/W08-053 キャラ R SR 赤 浴衣のハルヒ 0/0 500/1/0 《団長》 《和服》 SY/W08-054 キャラ R 赤 温泉のハルヒ 0/0 1000/1/0 《団長》 《SOS団》 SY/W08-055 キャラ R SR 赤 世界の中心ハルヒ&ちっぽけなハルヒ 0/0 2500/1/0 《団長》 《SOS団》 SY/W08-056 キャラ R SP 赤 “いつも”のハルヒ 1/0 5000/1/0 《団長》 《SOS団》 SY/W08-057 キャラ R 赤 ビーチバレー ハルヒ 2/2 5000/2/1 《団長》 《スポーツ》 SY/W08-058 キャラ U 赤 超編集長ハルヒ 0/0 1000/1/0 《メガネ》 《本》 SY/W08-059 キャラ U 赤 おめかしハルヒ 0/0 2000/1/0 《団長》 《SOS団》 SY/W08-060 キャラ U 赤 退屈を嫌うハルヒ 1/0 4500/1/0 《団長》 《SOS団》 SY/W08-061 キャラ U 赤 浴衣のハルヒ&みくる 1/0 5500/1/0 《和服》 《SOS団》 SY/W08-062 キャラ U 赤 Happy Valentineハルヒ 1/1 5500/1/1 《団長》 《お菓子》 SY/W08-063 キャラ C 赤 両手いっぱいの花束ハルヒ 0/0 500/1/0 《団長》 《SOS団》 SY/W08-064 キャラ C 赤 涼宮 ハルヒ 0/0 3000/1/0 《団長》 《SOS団》 SY/W08-065 キャラ C 赤 ボーカリスト ハルヒ 1/1 2000/1/1 《団長》 《音楽》 SY/W08-066 キャラ C 赤 勝利宣言ハルヒ 2/1 6500/1/1 《団長》 《和服》 SY/W08-067 キャラ C 赤 ネコミミ ハルヒ 2/1 8000/1/1 《団長》 《動物》 SY/W08-068 キャラ C 赤 クラッカー ハルヒ 2/2 9000/2/1 《団長》 《SOS団》 SY/W08-069 キャラ C 赤 トラブルガール ハルヒ 3/2 10000/2/1 《団長》 《本》 SY/W08-070 イベント U 赤 市内探索ツアー 1/3 EV SY/W08-071 イベント U 赤 色褪せた世界 2/1 EV SY/W08-072 イベント C 赤 ただの人間には興味ありません 1/1 EV SY/W08-073 クライマックス CR 赤 Happy Valentine CX 2 SY/W08-074 クライマックス CC 赤 SOS団誕生! CX 2 SY/W08-075 クライマックス CC 赤 サムデイ イン ザ レイン CX 扉 SY/W08-076 キャラ RR RRR 青 宇宙人 長門&朝倉&喜緑 0/0 1500/1/0 《宇宙人》 《本》 SY/W08-077 キャラ RR RRR 青 おめかし長門 3/2 9500/2/1 《宇宙人》 《本》 SY/W08-078 キャラ R 青 長門 有希 0/0 1500/1/0 《宇宙人》 《SOS団》 SY/W08-079 キャラ R SR 青 眼鏡っ娘 長門 1/0 5000/1/0 《宇宙人》 《メガネ》 SY/W08-080 キャラ R 青 朝倉 涼子 1/1 5000/1/1 《宇宙人》 《武器》 SY/W08-081 キャラ R 青 無口キャラ 長門 2/1 7500/1/1 《宇宙人》 《SOS団》 SY/W08-082 キャラ R SR 青 チャイナドレスの長門 2/2 7500/2/1 《宇宙人》 《ドレス》 SY/W08-083 キャラ U 青 水着のハルヒ&長門 1/0 4500/1/0 《団長》 《宇宙人》 SY/W08-084 キャラ U 青 温泉の長門&みくる 1/0 5500/1/0 《宇宙人》 《時間》 SY/W08-085 キャラ U 青 ビーチバレー 長門 1/1 1000/1/1 《宇宙人》 《スポーツ》 SY/W08-086 キャラ U 青 ギタリスト 長門 2/1 5500/1/1 《宇宙人》 《音楽》 SY/W08-087 キャラ U 青 情報統合思念体の端末 長門 2/2 8500/2/1 《宇宙人》 《本》 SY/W08-088 キャラ C 青 Xmasパーティ 長門 0/0 1000/1/0 《宇宙人》 《SOS団》 SY/W08-089 キャラ C 青 浴衣の長門&キョンの妹 0/0 1000/1/0 《宇宙人》 《和服》 SY/W08-090 キャラ C 青 エプロン姿の長門 0/0 1000/1/0 《宇宙人》 《本》 SY/W08-091 キャラ C 青 スイカを食べる長門 0/0 2000/1/0 《宇宙人》 《スイカ》 SY/W08-092 キャラ C 青 ネコミミ 長門 0/0 3000/1/0 《宇宙人》 《動物》 SY/W08-093 キャラ C 青 依頼人第一号 喜緑 1/0 2500/1/0 《宇宙人》 《生徒会》 SY/W08-094 キャラ C 青 クールガール 長門 2/1 8500/1/1 《宇宙人》 《本》 SY/W08-095 イベント U 青 しおりの伝言 1/1 EV SY/W08-096 イベント U 青 離れないで 2/1 EV SY/W08-097 イベント C 青 情報連結解除 2/0 EV SY/W08-098 クライマックス CR 青 私のこと、あなたに教えておく CX 2 SY/W08-099 クライマックス CC 青 情報制御空間の死闘 CX 本 SY/W08-100 クライマックス CC 青 うん、それ無理 CX 2 エクストラブースター 発売日:一般発売:2011/01/29(土) 先行発売:2010/12/29(木) (コミックマーケット79 ブシロードブース) カード種類数:全27種(R:9種/C:18種)+パラレル45種(サイン:2種/ホイル:27種/イラスト違い[ホイル]:8種/イラスト違い[ノーマル]:8種) 番号 種類 レアリティ 色 カード名 レベル/コスト スペック 特徴 SY/WE09-01 キャラ C 黄 キョン&古泉 0/0 1500/1/0 《超能力》 《SOS団》 SY/WE09-02 キャラ C 黄 星を語る古泉 0/0 2500/1/0 《超能力》 《SOS団》 SY/WE09-03 キャラ C 黄 夜空を見上げるキョン 1/0 4500/1/0 《SOS団》 SY/WE09-04 キャラ C 黄 小学五年生 キョンの妹 2/2 8500/2/1 《動物》 SY/WE09-05 キャラ R 緑 星に願うみくる 0/0 2000/1/0 《時間》 《メイド》 SY/WE09-06 キャラ R 緑 時間跳躍 キョン&みくる 1/0 2500/1/0 《時間》 《SOS団》 SY/WE09-07 キャラ R 緑 みくるとの出会い みくる(大) 2/1 2000/1/1 《時間》 SY/WE09-08 キャラ C 緑 元気な先輩 鶴屋さん 0/0 1000/1/0 《オデコ》 《八重歯》 SY/WE09-09 キャラ C 緑 バイト中のみくる 0/0 3000/1/0 《時間》 《カエル》 SY/WE09-10 キャラ C 緑 お花見 みくる 1/0 4500/1/0 《時間》 《SOS団》 SY/WE09-11 キャラ C 緑 セミ採り合戦 みくる 2/2 8500/2/1 《時間》 《SOS団》 SY/WE09-12 クライマックス C 緑 導く役目 CX 宝 SY/WE09-13 キャラ R 赤 “超監督”ハルヒ 1/1 3500/1/1 《団長》 《SOS団》 SY/WE09-14 キャラ R 赤 お花見 ハルヒ 2/2 10000/1/1 《団長》 《SOS団》 SY/WE09-15 キャラ R 赤 “笹の葉ラプソディ”ハルヒ 2/1 5000/1/1 《特徴なし》 SY/WE09-16 キャラ C 赤 世界を変える少女 ハルヒ 0/0 2500/1/0 《団長》 《SOS団》 SY/WE09-17 キャラ C 赤 水着のハルヒ 1/0 5000/1/0 《団長》 《水着》 SY/WE09-18 キャラ C 赤 夏祭りのハルヒ 1/1 7000/1/0 《団長》 《和服》 SY/WE09-19 イベント C 赤 エンドレスエイト 1/1 EV SY/WE09-20 クライマックス C 赤 私はここにいる CX 2 SY/WE09-21 クライマックス C 赤 夏の終わり CX 2 SY/WE09-22 キャラ R 青 観察者 長門 0/0 2500/1/0 《宇宙人》 《SOS団》 SY/WE09-23 キャラ R 青 魔法使い長門&シャミセン 1/0 2000/1/0 《宇宙人》 《動物》 SY/WE09-24 キャラ R 青 夏祭りの長門 3/2 10000/2/1 《宇宙人》 《仮面》 SY/WE09-25 キャラ C 青 待機モード 長門 1/1 7000/1/0 《宇宙人》 《メガネ》 SY/WE09-26 キャラ C 青 お花見 長門 2/1 8000/1/1 《宇宙人》 《SOS団》 SY/WE09-27 クライマックス C 青 残り二週間の夜 CX 本 トライアルデッキ 発売日:2009/11/21(土) カード種類数:全19種(先行収録:17種/限定:2種)+パラレル2種 番号 種類 レアリティ 色 カード名 レベル/コスト スペック 特徴 封入数 SY/W08-T01 キャラ TD 赤 涼宮 ハルヒ 0/0 3000/1/0 《団長》 《SOS団》 4 SY/W08-T02 キャラ TD 赤 両手いっぱいの花束ハルヒ 0/0 500/1/0 《団長》 《SOS団》 4 SY/W08-T03 キャラ TD 赤 浴衣のハルヒ&みくる 1/0 5500/1/0 《和服》 《SOS団》 2 SY/W08-T04 キャラ TD 赤 ボーカリスト ハルヒ 1/1 2000/1/1 《団長》 《音楽》 2 SY/W08-T05 キャラ TD 赤 ネコミミ ハルヒ 2/1 8000/1/1 《団長》 《動物》 2 SY/W08-T06 キャラ TD 赤 勝利宣言ハルヒ 2/1 6500/1/1 《団長》 《和服》 2 SY/W08-T07 キャラ TD 赤 クラッカー ハルヒ 2/2 9000/2/1 《団長》 《SOS団》 4 SY/W08-T08 キャラ TD 赤 トラブルガール ハルヒ 3/2 10000/2/1 《団長》 《本》 2 SY/W08-T09 クライマックス TD 赤 SOS団誕生! CX 2 2 SY/W08-T10 クライマックス TD 赤 サムデイ イン ザ レイン CX 扉 4 SY/W08-T11 キャラ TD 青 Xmasパーティ 長門 0/0 1000/1/0 《宇宙人》 《SOS団》 2 SY/W08-T12 キャラ TD 青 ネコミミ 長門 0/0 3000/1/0 《宇宙人》 《動物》 4 SY/W08-T13 キャラ TD 青 スイカを食べる長門 0/0 2000/1/0 《宇宙人》 《スイカ》 2 SY/W08-T14 キャラ TD 青 水着のハルヒ&長門 1/0 4500/1/0 《団長》 《宇宙人》 4 SY/W08-T15 キャラ TD 青 温泉の長門&みくる 1/0 5500/1/0 《宇宙人》 《時間》 4 SY/W08-T16 イベント TD 青 情報連結解除 2/0 EV 2 SY/W08-T17 クライマックス TD 青 私のこと、あなたに教えておく CX 2 2 SY/W08-101 キャラ TD 赤 いつものハルヒ&みくる 2/1 8500/1/1 《団長》 《時間》 1 SY/W08-102 キャラ TD 青 いつもの長門 0/0 2500/1/0 《宇宙人》 《本》 1 パワーアップセット 発売日:2016/12/23(土) (ブシロード公認店 限定販売商品) カード種類数:全8種+パラレル8種+特別封入PR1種 番号 種類 レアリティ 色 カード名 レベル/コスト スペック 特徴 SY/WP02-01 キャラ PS SR 緑 ひと休み みくる 0/0 2000/1/0 《時間》 《SOS団》 SY/WP02-02 キャラ PS SR 緑 トナカイ みくる 3/2 9500/2/1 《時間》 《SOS団》 SY/WP02-03 キャラ PS SR 赤 ひと休み ハルヒ 0/0 1500/1/0 《団長》 《SOS団》 SY/WP02-04 キャラ PS SR 赤 傍若無人 ハルヒ 1/0 4500/1/0 《団長》 《SOS団》 SY/WP02-05 キャラ PS SR 赤 “10th Anniversary”ハルヒ 3/2 10000/2/1 《団長》 《SOS団》 SY/WP02-06 クライマックス PS SR 赤 ある日の部室 CX 2 SY/WP02-07 キャラ PS SR 青 ツリー色のドレス 長門 0/0 1500/1/0 《宇宙人》 《SOS団》 SY/WP02-08 キャラ PS SR 青 ひと休み 長門 1/0 6000/1/0 《宇宙人》 《SOS団》 プロモーションカード 番号 種類 レアリティ 色 カード名 レベル/コスト スペック 特徴 SY/W08-103 キャラ PR 赤 涼宮ハルヒの憂鬱 0/0 3000/1/0 《SOS団》 《団長》 SY/W08-104 キャラ PR 赤 好奇心ハルヒ 0/0 3000/1/0 《団長》 《SOS団》 SY/W08-105 キャラ PR 赤 “Merry Xmas”ハルヒ 1/1 5500/1/1 《団長》 《SOS団》 SY/W08-106 キャラ PR 青 ウェディングドレスの長門 0/0 2000/1/0 《宇宙人》 《ドレス》 SY/W08-107 キャラ PR 緑 ウェディングドレスのみくる 0/0 2000/1/0 《時間》 《ドレス》 SY/W08-108 キャラ PR 赤 ウェディングドレスのハルヒ 0/0 1500/1/0 《団長》 《ドレス》 SY/W08-109 クライマックス PR 緑 団員ボシュウ中! CX 2 SY/W08-110 キャラ PR 黄 長門&ハルヒ&みくる 2/2 7500/2/1 《SOS団》 SY/W08-111 キャラ PR 赤 宇宙に思いをはせるハルヒ 0/0 2500/1/0 《特徴なし》 SY/W08-112 キャラ PR 赤 お正月 ハルヒ&長門&みくる 2/1 7000/1/1 《SOS団》 《和服》 SY/W08-113 キャラ PR 赤 超編集長ハルヒとその助手 1/1 3500/1/1 《SOS団》 SY/W08-114 キャラ PR 青 平穏な日常 有希 1/1 5500/1/1 《本》 《メガネ》 SY/WE09-28 キャラ PR 青 文芸部の有希 2/1 8000/1/1 《メガネ》 《本》 SY/WE09-29 キャラ PR 赤 唯我独尊 ハルヒ 0/0 2500/1/0 《団長》 《SOS団》 SY/WE09-30 キャラ PR 赤 夏祭りの夜 ハルヒ 0/0 2000/1/0 《団長》 《和服》 SY/WE09-31 キャラ PR 赤 負けず嫌い ハルヒ 1/0 5000/1/0 《団長》 《SOS団》 SY/WE09-32 キャラ PR 赤 体育祭のハルヒ 1/1 6500/1/0 《団長》 《SOS団》 SY/WP02-09 キャラ PR 赤 夏の眼福 ハルヒ&みくる? 3/2 10000/2/1 《団長》 《SOS団》 SY/WP02-10 キャラ PR 赤 みくるをプロデュース ハルヒ? 2/1 4000/1/1 《団長》 《SOS団》
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/4358.html
古泉「僕の名は古泉一樹と言います。もし良ければ、僕がこの街の事を色々教えて差し上げましょうか?」 俺の前で憎いほどハンサムな二ヤケ面がそう言った。 正直こういう男は余りいけすかないが、俺達はこの町に来たところでまだ何も知らない訳でだからな キョン「そうだな。すまんが色々案内してくれるか?」 そう俺が言うとまるで予想しない答えが返ってきたかのように目を見開いたリアクションを取る古泉。 俺は何か可笑しな事を言ったか? 古泉「案内?はて、何のことでしょうか?」 キョン「いや、町の事を教えてくれるんだろ?とりあえず…」 言葉を全て喋り終える間も無く、キョン目の前に巨大な気功弾が襲いかかる。 紙一重でそれを交わしたキョンは戦闘の体勢を取る キョン「ぐっ…」(これは…こいつ、気を練れるのか?) ハルヒ「アンタ何すんのよ!」 目の前の男は苦笑交じりに答える 古泉「何…とおっしゃられましても……旅をする奴ってのは金を持ってるもんだろ?悪いが死んで貰うぜ?」 キョン「馬鹿な…気の使い手が町で戦うなど警察が黙っていない筈だが…」 古泉「警察?ハッ!そんなものはこの町に存在しない」 キョン「なんだと…?」 ハルヒ「だから町全体がこんなに荒れてる訳ね。治安が少しでも悪くなければ此処まで酷くはならないもの」 古泉「そういう事だ…さあ、さっさと死んで貰おうか」 左手にバレーボール程度の大きさの紅球を出した古泉は、それを上に放りあげると右手で勢いよくキョンに向って打ちこんだ 古泉『ふんもっふ!!!』 キョン「ぐっ!」 ハルヒは右、キョンは左にそれぞれ避け紅球を交わす。 ハルヒ「キョン行くわよ!」 キョン「ああ!」 キョン「そっちが気で来るなら…俺も気を練らして貰おう。はあああああああ・・・・」 青い光の粒がポツポツと出現し始める その光を全て両手の中に収め、キョンは発出の構えを取る 古泉「ほう…気を練れるのか。どうやら雑魚ではないらしい」 ハルヒ「やあっ!!」 気をキョンに取られていた古泉は後ろから攻撃を繰り出してきたハルヒに対して一瞬反応が遅れる ハルヒ『竜巻旋風脚!!』 回転の勢いで繰り出される飛び蹴りの連撃 古泉は全てを受けきり、反撃に転ずる ハルヒ「うそっ!?この技を受けきるなんて…」 古泉「この程度の技で俺に傷をつけられるとでも思ったか?」 今度は右手からバスケットボールほどの大きさがある紅球が現れる 古泉「死ね!セカンドレイ…」 キョン『波動拳!!!』 古泉「!!」 ハルヒに向けていた紅球を瞬時にキョンの放った波動にぶつける古泉 ドンッ!!!! お互いの気はぶつかり合い破裂する キョン「波動拳とあんな赤い球が同じ威力だと!?」 古泉「驚いたのはこっちですよ」 キョン「!」 ドン!! 後ろから現れた古泉の上段蹴りをキョンも上段蹴りで迎え撃つ お互いの脚は衝撃の中央で静止する キョン「せいっ!」 古泉「はぁっ!!」 二人は同時にとび蹴りを繰り出す そのとび蹴りも同様にお互いの脚で静止する。 その刹那、キョンは体勢を低くし足払いに転ずる しかし、それを読んでいた古泉は飛翔し、回転から中段蹴りを放つ キョン「はっ!」 それを肘で防ぎ、古泉の脚に微少のダメージを与える事にキョンは成功した 古泉「ぐ…ふふふ…やりますね」 後ろにジャンプし体勢を立て直す古泉。 古泉(まさかあのレベルの気を練れるとは…そしてあの身のこなし、どうやら相当修練しているようだ…だが残念ながら俺の敵では無いな) ハルヒ「あいつ結構やるわね・・・」 キョン「ああ、なかなか重い拳を放つ…だが勝てないような相手じゃない!」 ハルヒ「ええ!」 古泉「勝てないような相手じゃないだと…笑われてくれますね」 ハルヒ「アンタの攻撃は大体見切ったわ!気を使えるのは驚いたけどそれだけじゃないの」 古泉「虫ケラが…俺が本気でやっていたとでも思っているのか?」 ハルヒ「えっ…だって本気でやってたんじゃないの?」 古泉「本来『気』とは練ってそのまま放つものでは無い…それはあくまで凡人レベルの思考、拙い低次元の功だ」 キョン「面白い…俺は強い奴と巡り合う為に旅を続けている。高等技とやら、魅せれる物ならば魅せてみろ!!」 古泉「喜べ…本来お前達如きには使わない技だ…」 キィィィィィィィィィィン そう古泉がつぶやいた瞬間、辺りから耳鳴りのような音が聞こえる キョン(なんだ…この音は?) ハルヒ(不気味な音ね) ???「その音を聞いちゃ駄目だ!!」 キョン(誰かの声…?一体誰の…?) ハルヒ(あれ・・・目が霞んできた・・・) 古泉『紅極拳・縛纏術』 ===ピシィッ=== キョン「…!」 ハルヒ「あ、あれ・・体が…」 キョン「…動かない」 古泉「これが真の『力』だ…理解したか?」 キョン「何故だ…何故ピクリとも体が動かないんだ…?」 古泉「気とはコントロールするものだ。自然の流れに調和させたり、分散させ相手の内部神経を少しずつ破壊させたり、応用による操作が数多に行える。凡人には気を集めてそのまま放つという方法でしか気を使う事が出来ないが、素晴らしい事だ。だが、俺はそれを更に数段階超えた…それだけの話だ」 キョン「なん…だと」 ハルヒ「そんなの勝てる訳ないじゃない…」 古泉「さあ…どう死にたい?」 キョン(拳を交えた時に何か超越した気質を感じたが…こうまで次元が違うのか…)